錆びたクルマの錆止め作業

いつもは防錆作業の利点を紹介していますが、今回は『 サビ止め作業 ○と× 』というテーマで、デメリットについても取り上げてみます。ジーバートに限らず、サビ止め作業というと黒色防錆剤をボディ下面に吹き付けるのが一般的ですが、その性格上、以下の様なデメリットが考えられます。

  • 施工した箇所が黒くなってしまい、美観を損ねる。
  • 施工内容によって防錆効果や仕上がりに大きな差が出るが、一般人には良し悪しの判断がつきにくい。
  • 使用する防錆剤によっては、いつまでもベタベタしたり、溶剤系の匂いが残ってしまう。

サビ止めの美観について

サビ止め アンダーコート黒色防錆という性格上、施工箇所が黒くなってしまいます。そもそも愛車が黒くなるのに抵抗があったり、黒色防錆剤で覆われてしまうとボディパネルの状況が目視確認できなくなる等々、サビ止め施工を躊躇する気持ちは僕も理解できます。

S660 サビ止め クリアタイプクルマのサビ止めに重きをおくか、美観を優先するか、トレードオフになる面もあって悩ましいですが、そういう時は美観を損ねないクリアタイプの防錆コースもありますので、お気軽にご相談下さい。画像はS660の新車にクリア防錆の作業をしています。これなら大切な愛車の美観を損ねず、サビ止め対策できるので安心ですね。

サビ止めの塗り分けまた自分達は、美観等を考慮してアルミ鍛造アームや社外パーツなどは塗り分けするようにしていますが、車載状態での完璧な養生には限界もあって、どうしてもミストが飛んでしまったり、境界線箇所の塗り分けができない場合もあります。(画像の矢印箇所を見て下さい)

より完璧を期すために部品を外して作業することもできますが、その分費用がかかってしまいます。例えば、足まわり関係の場合、ブッシュ交換のタイミングで防錆作業を行えば、サスペンションアームを外した状態で施工できるので、余分な費用の発生を抑えつつ、より良い仕上がりを得ることができます。

この辺は作業内容と費用のバランスを考え最良の方法を模索しますので、オーナー様の希望をお知らせ頂いて一緒に相談させて下さい。

施工内容と効果について

ひとくくりに『サビ止め』と言ってもピンキリ。使用する防錆剤や道具、作業者の技術や経験によって防錆の仕上がりは格段に異なるのですが、一般のお客様にはサビ止め作業の良し悪しの判断がつきにくいものです。

作業内容がわかりにくいこともあり、防錆業界 負の側面として、中途半端なサビ止め作業になっていたり、一部の中古車屋さん等では、車両の錆を隠すために、表面だけいい加減にシャシーブラックを吹いてごまかしてしまうケースもあったりします。

CP9A ランエボ サビ落とし施工者側の立場で言うと、サビ止めは地道で手間のかかる作業の連続です。錆びた箇所をはつる工程も、金属地肌を出すまできちんと錆を取り除いてやらないと、せっかくの黒錆転換も中途半端になってしまいます。

積み重なった錆を除去こちらの画像はミルフィーユのような積層になっていた錆を取り除いたところで、ここまでやらないと次の黒錆転換工程を生かすことができません。

錆転換剤を吹き付けます黒錆転換中の画像。ただ表面の上っ面に転換剤をぬるのではなく、サビている箇所にしっかり薬剤を浸透させるのがポイントです。手間はかかりますが、ジーバート横浜では転換剤の施工モレがないよう、チェックと重ね塗りを繰り返して完璧を期すように作業しています

ジーバート防錆処理吹き付ける防錆剤もピンキリ。ジーバートのように1度の施工で10年以上、サビ止め効果が持続する製品もあれば、数年毎に再施工が必要な製品もあるので、お店選び・防錆剤選びは慎重にしてください。

防錆表面のベタベタや、溶剤系の臭い

時代は1980年代後半 今から約30年以上前のことですが、愛車 BFMR ファミリア GT-Aeにジーバート ラストプロテクションを施していました。当時のクルマは今ほど防錆性能が進んでいなくて新車から何年か経つと錆が出てしまうことが当たり前。ジーバート処理のおかげで 毎年 冬場は毎週のようにゲレンデに通って凍結防止剤まみれになっていたにもかかわらず錆とは無縁だったのが大きなメリット。

ただ当時の防錆剤は何年か経過してもベタつきや、溶剤系の臭いが残ってしまっていました。現在のジーバート防錆剤は改良が進んで、施工後数週間で、表面のベタつきや溶剤臭はなくなるので心配いりませんが、今でも表面のベタベタや、溶剤系の臭いが残ってしまう製品もあるようなので、防錆ブランドを選ぶときは注意して下さいね。

まとめ ~サビ止め作業 メリットとデメリット~

ここまでサビ止め作業のデメリットを取り上げましたが、塩害地域を走るクルマや、10、20年と長い年月 気に入ったクルマを乗り続けたい場合はどうしてもサビの心配がついてまわります。美観を気にして フロア下面が黒くなるのは嫌と言っても、大切なクルマが錆びてしまうのは避ける必要はあります。

極端に長い期間乗り続けることはなく サビを気にする前に新しいクルマに乗り継いでいくのか、気に入った愛車といつまでも大切に長く付き合っていくのか、皆さんのカーライフスタイルによって、サビ止め作業にもメリット・デメリットがあります。

クルマを大切に考えるオーナー様の気持ちを理解し、防錆作業に関する深い造詣と施工技術を身につけ、数あるお店の中から弊社に任せようと思って頂けるように、丁寧・確実な作業を心がけています。今後もジーバート横浜とガレージHRSをよろしくお願いします。